消え逝く道の標べに

コラムやSSを綴っているブログ。

〔SS〕『スーツの男』

『スーツの男』 ーーここではない。 僕はそう思った。四方が白く囲まれた真っ白い小さな部屋を飛び出した。僕は息が切れるまで走り回った。すると、同じところに迷い込む。目の前には道が続いていない。部屋に入るしかない。どん詰まりだった。この迷路を抜…

〔SS〕『泡のような人生に』

『泡のような人生に』 キッチンで食器を洗う音がする。男には付き合って二年目の彼女がいて、二ヶ月前に同棲を始めた。親切心からなのか分からないが、彼女はすすんで家事をする。男が仕事で疲れていることを理解しているようだった。 男の疲労はすでに限界…

〔SS〕『五分前』

『五分前』 「世界五分前仮説って知ってる?」 ユリカがそう聞いてくる。放課後、私たちは教室の片隅で不毛な議論をするのが日課だった。 「知ってるよ。あの、世界が五分前にできたかもしれないってやつ」 「そう。カオリは信じる?」 ユリカが食いついてくる…

言葉を使うこと、その真髄

時間の速度に比例して、焦燥感が増していく。どうも、くららです。 言葉を使う仕事をしたい。というといくらか漠然としているのだけど、かい摘んで言えば、僕の言葉が誰か苦しんでいる人に届くような未来を思い描いている。 僕は言葉の隙間を縫うように、何…

平山瑞穂さんという作家について

一日経ってもけろっとしていないのは、あまりよくない兆候。どうも、くららです。 僕の好きな作家さんであまり有名な方ではないけど、なんとなく昨夜久しぶりに思い出したため、ネットで検索してみた。 hirayama-mizuho.cocolog-nifty.com その方のブログに…

懊悩(小説の話し)

自分の居場所に常に悩んでは、引き戻せない過去を夢見ている。どうも、くららです。 すぐに結果が出るなんてことはないけど、どこかに運が転がっていて、僕のもとにごろごろと音を立てながら落ちてこないかと思っている。多分、そんな都合のいいことはないけ…

「自己肯定感」というバケモノ③

③といいつつ、しばらく日が空いてしまいました。どうも、くららです。 ちなみに、この自己肯定感にまつわる①と②と③というタイトルですが、実のところかなり無計画に進行しているので、内容自体は「自己肯定感」という文字をもとに縦横無尽に泳いでいるだけで…

「日本は、義理チョコをやめよう」について

"ありえないこと"を、"ありえたこと"にしてみよう。どうも、くららです。 他人との関係は一筋縄でいかないから、とても気が折れる。一言一言に注意を払っていても、かえって、些細な行動が他人を傷つけしまったりする。それを面倒だと感じる一方で、やはり他…

〔SS〕『清算』

『清算』 真っ黒のスーツ姿。部屋の酸素は、その黒さによって吸収されていた。空気は冷たく、そして張り詰めていた。唾を飲みこむのも困難に思えるほど、一瞬の気の緩みも許されなかった。生きている人間たちが一人の死人を前にして、それぞれの思いの丈を何…

「自己肯定感」というバケモノ②

手を伸ばしてみたが思っていたより短くて君には届かなかった。どうも、くららです。 先日、こんな記事を書きました。 kurara121.hatenablog.com 今回のコラムもその続きというわけなんですが、今回は、「自己肯定」に関する面白い話しをしたいと思います。 A…

僕は、海に抱きしめられたい。

「よーい、どん!」で走れる人間になれればよかった。どうも、くららです。 アルコールを口に含んで意識を混濁させれば、世界も自分自身もどうでもよく思えてくる。どうにでもなるような気もするし、どうにでもなってしまえるような気がする。 誰かの一番に…

「自己肯定感」というバケモノ①

多くの人の期待を裏切るために生まれてきました。どうも、くららです。 人生はある種の博打のようなもので、大抵のことは思い通りにはいかない。「成功」のレシピは、努力と苦労話と付添人の存在ですね。それを人は、「引き寄せた」とか言いますが、「物は言…

子どもを叱ることについて

書きたいことが山ほどあるのに、うまく言葉にできない。どうも、くららです。 先日、生配信で「叱る」ことについてお話ししました。気になったので、ネットで少しばかり検索してみました。 子どもを叱ることについて 親が子どもを叱る場合、何に注意するべき…

〔SS〕『物語の終わりには』

『物語の終わりには』 Ⅰ 「ねえ、マルバツゲームしようよ」 「うん」 「じゃあね、ライオンの雄は子供が生まれると群れから離れると思う?」 「マル、かな」 「それじゃあ、雌は雄を追いかけると思う?」 「えっと、そういう時もある、じゃだめかな」 「だめ…

死に臨む態度としての「救い」と「慰め」について

幕が下がる前に、あの舞台に痕跡を残せたら。どうも、くららです。 卒業論文で僕の書いたものは、創造することによって救われることを望んだ人種についての考察だった。それは、一般に詩人と呼ばれる種の人びとであり、彼らの死に対する態度を紐解こうとした…

一周回ってどうでもよくなるような人生

死ぬことよりも、ちゃんと生きていけないほうが怖い。 言葉は、飼い主を選べない。流れていく全てのものに、僕は笑って手を振れない。流動して消えていくものに、肩を叩いて、振り向かせたい。それだけの簡単なことに躊躇してしまう。 僕は迷ってしまうから…

生きていることの意味がわからない

孤独はどうにも救いようがないらしく、少しでも明るく振る舞おうと頑張った結果に待ってたのは、さらに重苦しい孤独でした。どうも、くららです。 人生は後悔が付きもので、〜をしなかったとか〜を諦めたとか、いずれにせよ人間はみんな後悔をするらしい。だ…

逃げることのすヽめ

8割ニート生活。どうも、くららです。 大学院生という特殊な環境にも慣れてきた(?)のだけど、俗世から離れているおかげもあって、ますます孤独な戦いを強いられています。そんな苦境に立っているのは僕だけかもしれないけれど。 逃げることのすヽめ 先日…

文系学部廃止という排除の論理

吐き出したのは、少しの優しい気持ちと白い息でした。どうも、くららです。 今日はコラムっぽいコラムを書こうと思いました。そのために内容を探そうと思って、ニュースを眺めていたんだけど、そういう時に限って、面白いことが思い浮かばない。いや、悲しい…

淡白では生きられない

手の悴みに脇目も振らず、今朝もこうしてPCをカタカタさせています。どうも、くららです。 早い時間に眠ったから、昨晩のうちに届いていた友人からの連絡を見る。みんな優しいから、僕が大学(院)に赴かないことを心配してくれたりしていた。 今日は、一段…

正義や悪という言葉に潜む強度

こんにちは。就活を控えている、文系大学院生のくららです。 今日から、思ったことや感じたことをコラム形式で記していきます。溜めこんだままのSS(ショート・ショート)も、公開することもあると思います。 レイアウト等は、これから少しずつ良くしていく…